いつもスポーツショップランナーをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
スタッフで理学療法士の下林です。
本日は、実例をもとに、「こんな方にもインソールがオススメです」ということを伝えていきたいと思います。
【お客様の情報】
本日紹介するお客様は、約30年前に脳出血(くも膜下出血)を発症し、後遺症として右半身の麻痺が残った方です。
リハビリの末、杖一本で一人で歩けるようになりましたが、歳を重ねて、徐々に足が上がらなくなってきたとのお悩みがありました。
現在の状態として、専門的な用語を使用しますが、麻痺のステージ(ブルーンストロームステージ)としては、上肢Ⅳ、手指Ⅴ、下肢Ⅳ(各関節を分離して動かせるが、ぎこちない)といったところだったと思います。
特に、足首の筋肉の緊張が高く、内反底屈位(つま先が下がって内側に向いた状態、捻挫するときの足首の形)で固まっており、足首の随意的な動き(足首をパタパタと動かす運動)もぎこちない状態でした。
立位姿勢は、非麻痺側に重心が寄り、身体の軸が傾いている状態でした。
歩行の状態は、非麻痺側の足が着いている時間が長く、左右差があるような状態でした。また、足首が動きにくいということから、3歩に1回くらい、麻痺側のつま先が地面を擦るように歩いており、つまづいて転んでしまうリスクはあるなと感じました。
お客様の希望として、これからも一人で歩きたいということと、旅行に行って温泉に入りたいというものがありました。
その上で、地面に引っかからずに歩くこと、転ばないことは必要で、なんとかインソールで改善できないかということで、奥様からインソール作成の依頼があった、という流れになります。
【インソールを入れたら…!】
出来上がったインソールをいれて、歩いたらびっくり!
歩行中の麻痺側のクリアランス(地面と足の間の距離)が格段に良くなっていました。
また、非麻痺側のインソールのおかげで、踏ん張りもきくようになり、歩行が安定しました。
あまりにも歩行が改善したので、奥様が感激されて、涙を流すほど喜んでいただきました。
片麻痺の方にインソールを作成したことは初めてでしたが、作成できるとともに、片麻痺の方にもインソールの効果があると改めて感じました。
【インソール以外での対応】
インソール以外でも何か改善できないかと考え、いくつかお伝えしました。
まずは、地面に引っかからないように歩くためには、足首の可動域が大事だと考えて、足首のストレッチを伝授しました。
実際にストレッチを行ってみると、すぐに可動域が10°程度改善して、嬉しかったです。と、ともに、まだ拘縮(関節が固まって動かなくなった状態)はできあがっていないということもわかったので、自宅でも継続してストレッチを行うようにとアドバイスをさせていただきました。
次に、使用していた杖の高さを調節させていただきました。
杖は通常、非麻痺側に持つというのが定説になります。今回のお客様も非麻痺側に持っておられましたが、杖の持ち手が高く、杖にかなり体重を乗せてしまっている状態でした。
そこで、杖の持ち手の高さの指標に合わせて杖を調節したところ、歩きやすくなったと言ってもらえました。
【最後に】
膝の痛みなどの身体の不調や、今回のような麻痺のある方にとって、インソールはもちろんいいものですが、改善する方法はインソールだけでなく、本来の身体能力を引き出したり、今使っている道具を正しく使用したりすることでも改善できるかもしれません。
理学療法士として、様々な視点から、お客様のお悩みの解決ができるように、今後も知識のアップデートを行っていく所存です。
今回はちょっと専門的な内容になってしまいましたが、もし、同じような悩みや身体の不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
お待ちしております!
理学療法士 下林
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